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用語説明ー2ー


脈診
東洋医学での診察で脈の強さの比較や触れた感触で病勢病態病因などを推察する。いくつか
の方法があるが、手首の橈骨動脈部で見る、脈状診と六部定位脈診が一般的である。
脈状診
脈診の判断方法で、手首の橈骨動脈部で指に触れる脈拍動の深さ(浮沈)・強さ(虚実)・速さ
(遅数)・性状(滑渋)などを見(触診し)て判断する。特徴的な各脈状には「浮沈遅数弦」呼び名が
付けられている。
六部定位脈診
手首の橈骨動脈部に、寸口・関上・尺中の片側三ヶ所(左右六ヶ所)の臓腑配当部位を設定し、
左に沈位で心・肝・腎、浮位で小腸・胆・膀胱を、右に沈位で肺・脾・心包、浮位で大腸・胃・三焦を
それぞれ配当する。主に各臓腑(経絡)の虚実関係を見る。
脈象(みゃくしょ
う)
脈状診(単に脈診と言う場合これを指す)で指に触れて感じる脈の波動、感触の形・強さ・大き
さ・深い浅いの位相・速さ・滑らかさなどの脈の形状、形象を指す。
浮(ふ)脈
脈象の呼び名で、浮いて(軽く指を当てただけで触れ、重く按じて触れなくなる)柔らかい脈象で、
病位が浅く体表にあり、病因として風邪の存在が疑われる。または、脈位が浅い(浮位⇔沈位)こ
とを指す言葉。
沈(ちん)脈
脈象の呼び名で、軽く指を当てただけでは触れず、重く按じて触れる脈を言う。病位は深く裏に
ある。
遅(ち)脈
脈象の呼び名で、脈の拍動が遅く、脈拍数が少ないものを言う。徐脈。寒症、冷え、陽虚を意味する。
数(さく)脈
脈象の呼び名で、脈の拍動が速く、脈拍数が多いものを言う。熱がある場合に現れる。頻脈。さらに速いものを疾脈と言う。
虚(きょ)脈
脈象の呼び名で、浮いて柔らかく力がなく空虚な感触。
実(じつ脈)
脈象の呼び名で、軽く押さえても強く押さえても充実した感触の強い脈を言う。実証。邪実。
滑(かつ)脈
脈象の呼び名で、脈の流れがなめらかで玉がころがるような脈を言う。水湿や痰飲の邪気の存在や熱が盛んなときに現れます。



(代用漢字として「渋」を用います)
脈象の呼び名で、脈の流れになめらかさがなく、ひっかかる感触がある脈です。竹を削るときの感触と言われます。
弦(げん)脈
脈象の呼び名で、脈の拍動が弓の弦(つる)を張ったようにピンと直線的に触れるもので肝の変
動と関係して現れます。
緩(かん)脈
脈象の呼び名で、脈の拍動が柔らかくゆるんでしまりがなく弱い。湿邪の存在が疑われる。リズムが規則正しく適度の力強さがあるばあいは正常な脈で、いわゆる「胃の気の脈」である。この場合、「和緩」と表現する。
細(さい)脈
脈象の呼び名で、脈の拍動が細いものを言う。津液(水分)や血液など陰分の不足している状態
です。
洪(こう)脈 脈象の呼び名で、波が沸き起こるようで、来るときは強く、去るときは弱い。熱実証。
濡(じゅ)脈
脈象の呼び名で、脈の拍動が軟らかい脈で表面に浮いて軽く押さえて触れ、強く押さえると触れない。湿邪が滞留しているときに現れる。または、亡血で陰が傷ついた場合。
散(さん)脈
脈象の呼び名で、脈の拍動が散漫でまとまりがなく、軽く押さえ分散し乱れた脈がふれるが、強く押さえると触れなくなる。虚証で気血の消滅、元気の消耗霧散した危篤状態に診られる。
 柔らかい


  注



軟らかい
「柔」らかいは、しなやかにやわらかいこと。曲げても折れない、ねっとりとやわらかい意。弾力の
ある木の意。
「軟」らかいは、ぐにゃっとして硬い手ごたえがないさま。ふやけてやわらかいこと。車がやわらかく
動き手ご
胃の気の脈 「脈は胃の気を本とする」と言われ、健康な人の正常な脈は、浮かず沈まず(体表皮膚から骨ま
での間の中位にある)、速過ぎず過ぎず(遅数=徐脈・頻脈でないこと)、落ち着いて穏やかに適
度の力強さがあり規則正しい脈を言う。「有胃気」




舌診(ぜつしん)
舌診は舌本体(舌質)の形状、血色、舌下の静脈を診ることと、舌表面の苔(舌苔)の厚さ。色、
性状、水分量等を診ることにより診断治療に役立てるもの。
舌歪(ぜつわい)
舌が左右どちらかに偏る。肝風内動などによる中風等の疾患に見られる。
舌痿(ぜつい)
痿はなえる意で、舌が軟弱で力なく、思うように伸縮、回転出来ないもの、多くは陰液の損耗によ
る筋脈の栄養不足。新病では鮮紅色、長い病気ではやや暗い深紅色で、この場合気血両虚とな
っていることが多い。
舌強(ぜつごう)
舌本体が強張り自由に動かせないもの。中風による麻痺など。舌が強ばって色が深紅色、うな
じ(項)が強直し意識がもうろうとしてうわ言を言うのは、多くは湿熱病のため熱入心包となり熱毒
が渋滞して盛となったため。
舌 短
舌縮とも言う。舌本体が縮まって伸ばすことが出来ないもの。熱邪あるいは寒邪、痰湿が存在す

ため。舌質が深紅で舌苔が乾いて少ない、または黒く焦げたような色では熱病が津液を傷つけ
たことを現し、舌質が淡紅色で苔が白く艶があるのは寒邪が経絡に凝集している。舌が肥大し粘
ついていて伸びないのは痰湿が経脈を塞いでいる場合。
舌 縮
舌 胖
舌が肥大していることで、虚と実があります。軟らかく舌の縁に歯の痕(歯痕)が付き色が淡いの
は虚(脾虚)で、縁に歯の痕がなく舌が大きく肥大し色が深紅なのは実(心脾の熱)です。
ドン(女+敕)
老は舌本体が縮まって堅く、色は灰色をおび張りがない状態で実証。ドン(女+敕)は舌本体が
むくんで肥満し血色が淡いもので虚証。
栄は舌本体が明るく淡紅色で潤いがあり津液が充実し健康良好のもの。枯は舌本体が乾いて
いて、津液が傷つき津液不足のもの。


舌質(ぜつしつ)
舌診で舌本体のことを言い、形状や血色を見ます。
舌赤い(舌紅)
熱を表します
舌淡紅色
健康な舌の血色
舌淡い
不健康な血色で、気虚、陽虚、血虚など
暗 紫
血行不良のためオ血が存在します。
舌の側面に暗紫色の斑紋が現れるもので、血の現れです。
舌苔(ぜつたい)

舌診で舌の表面のコケを言い、性状、厚さ、色、湿り気、べたつきなどを見ます。
少津(しょうしん)

舌診で唾や唾液が少なく乾いている状態
少苔(しょうたい)
舌診でコケが少ないこと


歯痕(しこん) 舌診で舌の側面に歯に当たった窪みができることで、気虚のため舌がむくんでいる。
光剥苔 舌診で苔が剥脱してなくなり舌表面が乾いてテカテカになる。多くは胃陰虚、胃気が傷ついた状態。舌の血色が淡ければ血虚。
舌起芒刺
(ぜつきぼうし)
舌診で舌苔に棘状の突起が現れること。熱がひどい場合に起こる。苔ほ黄色か黒色。邪熱が盛んなほど棘が多くなる。棘の生える場所により区別する。たとえば、先端では心熱。
苔 潤 舌診で苔が潤っている。潤っていて、ねっとりしていない、苔が薄いのが正常で、津液が充足している現われ。苔潤っているが、ねっとりしていて、苔が厚ければ湿(内湿、または湿邪)が存在する。
苔 滑 舌診で、苔が湿っていて、つやがある。苔が薄く白く滑らかなのは体内に寒湿がある。厚く白く滑らかなのは体内に湿濁が盛んなことの現われ。苔が薄く黄色で滑らかなのは湿熱、なたは、外邪が化熱して裏に入り始めたもので、まだ陰(津液)は傷つけられていない段階、苔が黄色く厚く滑らかなのは湿熱が盛ん、または、痰熱が盛ん。
膩(じ)苔 舌診で苔がねっとりとしているもの。濁って光滑感のある粘液が舌表面を覆い拭き取りにくいもの。湿濁が停滞している現われ。
舌 診  舌質 と 舌苔の診方


1.舌質の形状や動きによる診断の意味

〇肥大、脹(ヘツ、痩せて薄くペチャンコの意)、歯痕の有無などを診ます。

  • 胖大 : 胖嫩(ドン)とも言い、舌質がむくみ(浮腫)で大きくなり、柔らかいため、舌の側面に歯に当った痕(歯痕)ができる。淡白色で湿潤して→脾虚、脾陽虚、脾腎陽虚にみられる。

肥大 : 舌が腫脹し、歯痕はない、深紅色→;心脾の熱が盛んな場合。

歯痕 : 舌質本体の側面に歯に押し当った痕があるものを歯痕と言い、舌質の胖大のしるしとなる。

(ヘツ) : 舌質の本体が痩せて薄く、鮮紅色のもの→;陰虚。

老・嫩 (ドン)

◇ 老は表面の紋理は粗く、舌質の本体が縮まって硬い感じに見えるのも、紅絳色で乾燥しているばあいは実証、熱証を表す。
◇ 嫩は表面の紋理が密で、舌質の本体がむくんで柔らかいもの、淡白色で湿潤している⇒虚証(陽虚)、もしくは、寒証を表す。

  • 裂紋 : 舌の表面に亀裂があることを言い、舌質の色が淡白のものは;気血両虚。
         同じく舌の表面に亀裂があり、舌質の色が紅絳のものは;熱が盛んで津液(陰)を傷つけている。

栄・枯、(潤・乾)

◇ 栄は潤いとつやがあり、津液が充実している。潤:栄に同じ。
◇ 枯は潤いとつやがないもので津液の損傷、不足。乾:枯の同じ。

  • 痿軟 : 舌が弛緩し無力となり、動かせないもの

戦(顫動センドウ) : 舌の振るえは熱極生風(紅絳色で舌体が弓なりに痙攣するなど)、虚風内動(紅色で乾燥、めまい、手足の振るえ)。 紅絳色で乾燥しているものは;熱盛傷津によるか、久病での陰液極耗している。 淡白色で湿潤しているものは;気血極虚。

強硬 : 舌が硬直し、ろれつが廻らないもの。

  • ◇ 紅絳色で、乾燥し、高熱があるものは;熱盛傷津
    ◇ 紅絳色で、乾燥し、高熱に、うわ言や意識の昏迷が伴うものは熱入心包、または痰濁内阻。これに麻痺や、半身不随が加われば中風(内傷雑病)。


2.舌質の色による診断の意味

〇 淡紅色が、健康な舌質の色です。
〇 淡白色では、;虚証(気虚、または血虚)、あるいは、寒証です。
〇 淡白色で(ヘツ、舌体が痩せている)ものは、気血両虚です。
〇 淡白色で胖嫩(ドン)舌体がむくんで歯痕があるものは、気虚、寒証(冷えの症状)があれば陽虚です。
〇 紅(赤い)のは、;熱証(実熱、または、虚熱)です。
〇 絳(または紅絳)深紅色のものは、熱証
〇 紫色では、赤紫のものは;熱が盛んで、紅絳舌から更に進展したばあい。青紫のものは冷え、寒証です。
〇 暗紫舌、紫斑があるものは、汚()血です。




3.舌苔の性状による診断の意味

〇 舌苔の厚さ(薄い・厚い・無い)による診断の意味は、病邪の位置の深浅、津液の有無を診ます。

  • 健康正常では、薄白苔で適度に潤いがあり、薄く白い苔を透して舌本体(舌質)の淡紅色が分かるもの。
  • 白苔(健康な薄白苔がやや白さを増した程度のもの)は、表証で体表の浅い部分に風邪や寒邪が着いた状態。
  • 厚白苔では、苔が薄い場合の表証に対し、裏証であることを現します。苔の厚さ増すほど病邪が体表から内部へ侵入したと見ます。
  • 黄色は熱を表します。黄色が濃くなるほど熱の程度は強いと見ます。
  • 灰白色では湿濁が内部び停滞している場合に現れます。
  • 黒色も、裏証で一般に病状は重く、黒灰色で苔が濡れて滑らかで舌質が淡白色のものは寒湿が内部に潜伏していることを現し、黒く乾いていて舌質が深紅色のものは熱がひどく陰分を傷つけていることを現します。
  • 膩苔とは、苔が厚く濁って光滑のある粘液に覆われた状態で簡単には拭き取れないものを言い、湿濁が内部に停滞していることが多く、食積や痰飲にも見られる。
  • 苔垢コウは汚垢が舌苔に混じっているものを言い、食物が渋滞し消化しないか、または、湿濁が胃内に停滞していることの現われ。
  • 剥苔は舌苔が剥がれ落ちているもので、長期に渡り剥げ落ち地図状ななっている場合は虫積による。また、熱性病で舌苔が1〜2日のうちに舌苔全体が剥げ落ち苔がないつるつるした状態で深紅色か鏡面様になるのは、正気が邪気に敗れ腎肝の陰気が不足し邪気が内に落ち込んだ重症の場合。
  • 光剥苔(こうはくたい)舌苔が突然剥脱したように消えるものを言い、胃の陰液が枯渇し胃気が傷ついた状態です。
  • 舌起芒(ボウのぎ、すすき)刺は、舌苔に棘状の隆起があるものを言い、熱が酷いときに現れる。したがって、色はきつね色か黒色のことが多い。熱邪が盛んなほど棘の数は多くなり、舌上の現れる場所により病気のあるところを判別することができる。たとえば、舌先では心熱、中央では脾胃に熱が蓄積していることがわかる。


4.舌診部位と臓腑の配当



舌根部・・・・腎

舌中央部・・・脾・胃

舌側部・・・・肝・胆

舌先部・・・・心・肺

右の図参照

鍼zesinn%20bui(web)


 














萎黄
萎はやつれる意、やつれて黄色っぽい顔色。脾気虚の特徴的顔色。黄色は中央、脾、土、の色で
もあります。→五色
































短気 呼吸が短く途切れ途切れになる、息切れのこと。虚実がり、実のものは突然起こり胸腹部が脹満し荒い呼吸となる。痰、飲食物の内阻が気機の昇降を妨害することによる、虚は久病(長患い)で声低く弱く、息がかすれ、心身疲労した元気大虚したものに起こる。





自汗(じかん)
日中に運動や厚着などの体温上昇なしに自然に汗が出る症状。気虚、肺気の虚弱、衛陽不
固による。
盗汗(とうかん)
夜間、睡眠中に自覚なしに汗が出て、目覚めると止まる症状。陰虚内熱により、汗が外に排泄
されるために起こる。
大 汗
汗が多く出る。熱が盛んな場合。病後の気虚、元気が脱出しようとする場合に現れる。多量の
汗は津液を傷つけ、亡陰となる。また、汗は心液でもあり、多量の汗は亡陽ともなる。
額汗(がくかん)
体に汗が出ないのに、額にのみ汗が出る症状。陽明の病症で汚血や湿熱を兼ねる場合に見
られる。熱が内に鬱結して排泄されないため、陽明経脈に沿って上昇し発汗するが、熱が退消
すれば発汗は自然と止む。
冷 汗
寒さを嫌い、四肢が冷えて汗が出る症状。汗が出る前に発熱などは無く、精神委縮、顔面蒼
白、大便希薄で水様の下痢、小便は澄んで長い、陽虚、衛気不固のため表理の弛緩により汗
が漏れ出る。
心 汗
心前部にだけ汗をかく、または心前部に多く汗をかく症状。一説に、思慮の過剰により心脾を傷
つけたためとする。

































補法
刺鍼に加える手技操作で、正気、精血津などの虚(不足)に対しこれらを補う目的で用います。
瀉法
刺鍼に加える手技操作で、邪気、汚血、痰飲などの実に対しこれらを取り除く目的で用います。
透天涼
刺鍼に加える手技操作で、熱を取り除く目的で用います。
焼山火
刺鍼に加える手技操作で、冷えを取り除く目的で用います。
先寫後補
刺鍼に加える手技で、まず先に瀉法を施し、後に補法を加えることを言います。虚の証の中に実が含まれる
「虚中挟実」場合用います。









































































五行
古代中国の思想で森羅万象を、木・火・土・金・水の五つに分類する
相克関係
五行(ごぎょう)説で、木は土に、土は水に、水は火に、火は金に、金は木にそれぞれ剋(か)つとされるこ
と。五行相克。⇔相生(そうせい)


































五行理論
森羅万象を「木」「火」「土」「金」「水」の五つの属性に分類す考え方。





































湿
西





五 志
怒、喜、思〈慮〉、悲〈憂〉、恐〈驚〉の五つの情意が、それぞれ肝、心、脾、肺、腎の五臓に蔵されるとす
る。
五志化熱
怒、喜、思〈慮〉、悲〈憂〉、恐〈驚〉の五つの情意活動の失調(おもに過剰)により引き起こされる病的機
能亢進を言う。情意は気機と密接に関連するため、情意により精神活動が長期に興奮あるいは抑うつ
すると気機は紊(ビン:みだれる)乱し、臓腑の陰陽の均衡が損なわれる。気の過剰は陽熱の過剰、陰
水(真陰)の不足となりやすい。その結果、煩躁、易怒、眩暈、失眠(不眠)、口が苦い、脇脹痛、咳嗽、
吐血など火に属する症状を起こす。