eaa

セイ鍼灸院ホームページ


頚部の神経解剖学的側面からの治療

コロナ後遺症の諸症状鍼治療としての対処法

◇ 倦怠感・だるい・疲れやすい・食欲不振

鍼灸治療では「脾虚脾臓の気(働き)が弱り不足した状態で起きる症状です
脾虚(脾気虚)は不足した脾臓の気を補う治療をしますが、以下の場合、瀉法を先に行った後に補法を行います。


@ 脾虚に乗じて「湿邪」がある、または、「湿邪」のために脾虚が起きている場合
A 脾虚のため「食滞」や「胃内停水」、「浮腫」など濁飲水飲がある場合


上の@Aを合わせて「湿濁」の邪気と呼びます。先に瀉法を行う理由は、補法によってこの「湿濁」の邪気を身体の深部へ内向させないためです。健康にとってあるべきでないものを邪気と呼びますが、邪気が存在したまま補法を行うことは最大の誤治(間違った治療)となります。『だるさを治療したはずなのにかえってだるくなってしまった』などはこのためだと思われます。濁飲濁水の場合「滑」脈と呼ぶ実脈を表し、実脈=邪気実として邪気を取り除く瀉法を行うものと判断しやすいですが、「湿邪」では緩弱と柔らかく弱い虚脈を呈するため「虚は補う」べきものと補法を用いてしまうと言う誤治を犯しやすいのです。舌診を行うと、舌の表面の苔(舌苔ゼツタイ)がやや厚く湿り気が強くべたついた感じに見え湿邪の存在に気が付きます。治療ではこの舌苔の状態が健康な「薄白ハクハク」苔(薄く白く舌本体の淡紅色が透けて見える状態)に変化するまで瀉法を加えることになります。舌苔が薄白に変わると、瀉法を施しているにもかかわらず、弱かった脈が適度の力強さのある健康な脈(和緩の脈、胃の気の脈と言います)に変化します。脈の起き方の弱い場合には瀉法に補法を合わせて行う「平補平瀉」法を用います。
主な使用穴:足三里、陰陵泉、化熱がある場合:加;内庭、風湿や湿熱上昇がある場合:曲池、・・・など。手技:瀉法、熱が絡む場合:加;透天涼。

◇ 動悸

動悸の原因には{ 情緒不安・過度の疲労心血不足・心陽虚弱・水飲内停・腎陰虧損・汚血・痰火 }などがあります。
このなかで、コロナ後遺症の場合に考えられるものは、高熱により陰分(水分と血液)が傷つけられることから・・・


@ 心血不足 : 「心は血を蔵す」と言われ血液の不足は心の正常な機能を害します。血は陰に属するため不足は陽気の亢進、たかぶりを起こします。
A 腎陰虧損 : 高熱により水の大元である腎陰が損なわれたため、心の陽と腎の陰との均衡が取れなくなり腎陰による抑制が無くなった心陽が亢進するため動悸が起こります。
B 脾虚のため水湿運化機能が低下し水飲内停が心に影響して起こるもの
C 汚血が心に影響したもの


D 痰火が影響したもの

◇ 息切れ、または、息苦しい

気虚によるものは、肺気を補いますが、肺の状態を診ると「瀉法」が必要なことが多いようです。また、肺(金)の母脾(土)を補うのみならず、呼吸の気の流れを木にたとえて「肺は枝葉」で「腎が根」にあたると言い表しますが,呼吸の気は深く腎に入り肺に出るものと考えます。腎気を補う必要がある場合がほとんどです。参照:呼吸器疾患の治療

◇ 頭痛

湿邪に脾胃が傷つけられると、全身に重い・だるい、倦怠感が出ますが、頭痛では「重い感じの痛み」や「締め付けられるような痛み」の頭痛となります。重い感じの場合は前頭部に多く感じます。また、痛みでは無く、前頭部や額から目の前がモヤモヤするなどと感じる場合もあります。頭部という上部へ湿が上昇する場合、湿に陽熱が絡みます。参照:(湿邪・湿による頭痛)

◇ 味覚障害

味覚は心気と関係します。「心和すれば舌よく五味を知る」と言われます。また、脾虚脾陰虚によっても味覚に異常が現れることがあります。

◇ 臭覚障害

臭覚を感知する鼻は、肺気の領域で肺の気の状態を整えることになります。とともに、手足の陽明経脈を疎通することが重要です。

◇ ブレインフォグ・物忘れ・考えがまとまらない

頭痛と同様に「湿」に「熱」が絡み「湿熱」となり頭部へ上昇したため、本来脳を栄養すべき「清陽の気」が阻害され状態で起こります。上昇した「湿熱」を除去することが治療となります。

◇ 胸がチクチクする

「チクチク」するという痛みは「汚血」の特徴です。胸中の気の流れを促進するとともに汚血に有効なツボ(三陰交・血海・膈兪など)に瀉法を加えます。

◇ ーーーーーーー
◇ ーーーーーーー
◇ ーーーーーーー
≪治療の検索へ移動≫ ≪  トップへ戻る  ≫    


セイ鍼灸院☆診療についてはご案内ページをご参照ください


■ メールでのお問い合わせ・・・・・・・・・・・・・・