セイ鍼灸院ホームページ

セイ鍼灸院ホームページ  (資料6) 
 ■ 五臓の属性 「黄帝内経《素問》《霊枢》に見る五臓の属性」
 ■
黄帝内経に記述される五臓属性
「黄帝内経、素問・霊枢」に記述される五臓の属性をそれぞれの臓について、出典個所ごとにまとめたものである。

目 次
黄帝内経《素問》《霊枢》に見る五臓の属性

心・・・・・・心の属性

肺・・・・・・肺の属性

肝・・・・・・肝の属性

脾・・・・・・脾の属性

腎・・・・・・腎の属性

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


心・・・心の属性

「素問、霊蘭秘典論第八」による属性   

@心者君主之官也
A神明出焉 (焉エン、いずくんぞ、ここでは文末につけて語調を整える助詞で、読まない。)
 *小腸者受盛之官。化物出焉。
 *中者臣使之官。喜樂出焉。
 *三焦者決涜之官。水道出焉。

「素問、六節蔵象論第九」による属性

@心者生之本、神之變(変でなく處=所では?)也。
A其華在面。
B其充在血脉。
C為陽中之太陽。
D通於夏気

「素問、五臓生成篇第十」による属性

@心之合脉也
A其榮色也
B其主腎也 (水克火)
C[五味所傷]多食鹹*。則脉凝泣而変色。 *鹹味は水、水克火。泣=粒と同系のことば。凝かたまってつぶになることを表すが、血液が液体のため「?」(さんずい)とした。
D[五味之所合]心欲苦。
 *諸脉者皆属於目。
 *諸血者皆属於心。

「素問、臓気法時論篇第二十二」による属性(五味について)

@心主夏。手少陰太陽主治。其日丙丁。

A心苦(困、くるしむ)緩。急食酸以収之。
B心欲?(ゼン、やわらかく太い)。急食鹹以?之。用鹹補之。甘瀉之。
C心色赤。(ギ:宣)食酸。小豆。犬肉李韭(韮)皆酸。
D<病症>
 心病者、胸中痛、脇支満、脇下痛、膺背肩甲間痛、両臂内痛。
E<病症>
 虚則、胸腹大脇下與腰相引而痛
F<治療>取其経。少陰太陽舌下血者。其變病刺?中血者。


「素問、宣明五気篇第二十三」による属性

@五味 五味所入「五入」 : 苦入心
 * 五味所禁[五禁] : 鹹走血。血病無多食鹹。(鹹=塩味=入腎(水)。塩味は血分に浸透しやすいため、取りすぎると血流が滞る。 薬の五味での鹹味は、シコリを軟らかくし、宿便を軟らかくし排便しやすくする。海藻・牡蠣(瘰癘ルイレイを治す)、芒ボウ硝ショウ(乾いて固くなった大便をやわらかくする)など。)
A五病 五気所病 : 心為噫 参照:噫気
B五精所并(アウまたは、ナラブ) : 精気并於心則喜
C五臓所悪(キラウ) : 心悪熱
D五液 五臓化液 : 心為汗 (心は血を主どり、汗は血から生ずる)
E五臓所蔵:心蔵神
F五臓所主:心主脉 参照:≪霊枢・経脈篇第十、「心主手厥陰心包絡之脈」≫
G五労所傷:久視傷血 『労於心也』≪重廣補註≫
H五脈応象:心脉鈎 (鈎コウ=鉤コウの異体字。物をひっかけて取るためのL字型をした金具。かぎ。つりばり。)『如鈎之偃フセル。来盛去衰也』≪重廣補註≫

「霊枢、本神篇第八」

(イ+朮:ジュツ:おそれ。気になって心から離れない)タ(テキ:おそれ、うれえる)思慮者則傷神
○ 神傷則恐懼(グ、ク:目をきょろきょろさせて恐れる。不安な気持ち。)流淫而不止 因悲哀動中者竭(ケツ:つきる)絶而失生 
○ 喜楽者神憚(単:薄いはたき・のように心が薄く平らでふるえる。はばかる。ビクビク心配する。)散而不蔵 
○ 愁憂者気閉塞而不行
○ 盛怒者迷惑而不治
○ 恐懼者神蕩(トウ:とろける)憚而不収

@ 心?タ思慮則傷神 傷神則恐懼自失破(肉+?キン:まるい米倉のこと)脱肉毛悴(やつれる)色夭(わかい、若死にする)死於冬
A心蔵脈
B脈舎神
C心気虚則悲
D(心気)実則笑不休
               ・・・・≪メモ≫・・・・他の五臓との関連
D?(ジュツ:おそれ。気になって心から離れない)タ(テキ:おそれ、うれえる)思慮者則傷神
E神傷則恐懼(グ、ク:目をきょろきょろさせて恐れる。不安な気持ち。)流淫而不止 因悲哀動中者竭(ケツ:つきる)絶而失生 
F喜楽者神憚(単:薄いはたき・心が薄く平らでふるえる。はばかる。ビクビク心配する。)散而不蔵 
G愁憂者気閉塞而不行
H盛怒者迷惑而不治
I恐懼者神蕩(トウ:とろける)憚而不収
J心?タ思慮則傷神 傷神則恐懼自失破(肉+?キン:まるい米倉のこと)脱肉毛悴(やつれる)色夭(わかい、若死にする)死於冬
K脾憂愁而不解則傷意 意傷則悗(バン、ボン:ぼんやり、うつつをぬかす。忘れる。)亂(ラン、ロン、みだれる=乱)四支不舉(キョ、コ、あげる=挙)毛悴(やつれる)色夭(わかい、若死にする)死於春
L肝悲哀動中則傷魂 魂傷則狂忘不精 不精則不正 當(トウ、あたる。まさに・・・=当)人陰縮而攣(レン、つる、つれる)筋両脇骨不舉(キョ、コ、あげる=挙)毛悴(やつれる)色夭(わかい、若死にする)死于秋(冬と春では「于」ではなく「於」)
M肺喜楽無極則傷魄 傷魄則狂 狂者意不存 人皮革焦毛悴(やつれる)色夭(わかい、若死にする)死于夏
N腎盛怒而不止則傷志 志傷則喜(善くの間違えでは)忘其前言腰脊不可以俛(ベン、ふす、たれる)仰(ギョウ、あおぐ)屈伸毛悴(やつれる)色夭(わかい、若死にする)死于季夏

「霊枢、五閲五使篇第三十七」

@五官 舌者心之官也・・・心病者舌巻短顴(ケン、ほおぼね)赤

「霊枢、九針論篇第七十八」

@五臓気 : 心主噫(アイ、参照:噫気)
A五 味 : 苦入辛
B五并精気: 并心則喜
C五 悪 : 心悪熱
D五 液 : 心主汗
E五 労 : 久視傷血
F五 走 : 苦走血
G五裁(禁): 病在血無食苦
H五 蔵 : 心蔵神   (神:「生之来謂之精。両精相搏謂之神。随神往来者謂之魂。並精而出入者謂之魄。」≪霊枢・本神篇第八≫)
I五 主 : 心主脈

≪≪≪このページのトップへ戻る≫≫≫≪≪≪ホームページのトップへ戻る≫≫≫



肺・・・肺の属性

「素問、霊蘭秘典論第八」による属性

@肺者相伝之官。
A治節出焉。
 *大腸者伝道之官。変化出焉。

「素問、六節蔵象論第九」による属性

@肺者気之本。魄之處(所)也。
A其華在毛。
B其充在皮。
C為陽中の太陰。
D通於秋気。

「素問、五臓生成篇第十」による属性

@肺之合皮也
A其榮毛也
B其主心也 (火克金)
C[五味所傷]多食苦。則皮槁(かれる=枯)而毛抜。*苦味は火、火克金。
D[五味之所合]肺欲辛。
E諸気者皆属於肺。

「素問、臓気法時論篇第二十二」による属性(五味について)

@肺主秋。手太陰陽明主治。其日庚辛。
A肺苦(困、くるしむ)気上逆。急食苦以泄之。
B肺欲収。急食酸以収之。用酸補之。辛瀉之。
C肺色白。(宣)食苦。麥(麦)羊肉杏薤(カイ、ゲ、にら)皆苦。
D<病症>
 肺病者、喘?(咳)逆気、肩背痛、汗出、尻陰股膝髀?(大漢和辞典に記載されない。 =骭=脛から、「肉月+行」=コウ:下腿のこと)足皆痛。
E<虚証>
 虚則、少気、不能報息、耳聾、咽乾。
F<治療>
 取其経。太陰。足太陽之外?。厥陰内血者。

「素問、宣明五気篇第二十三」による属性

@五味 五味所入[五入]:辛入肺
*五味所禁[五禁]:辛走気。気病無多食辛。(辛味は気を散ずるため、過食すると気を消耗させる。 薬の五味での辛味は、邪気を散じ気を通ずる。荊ケイ芥カイ(風寒を散じ気を通ずる)、砂仁(通気)、川?(補血)など。)
A五気所病:肺為咳
B五精所并(アウまたは、ナラブ):并於肺則悲
C五臓所悪(キラウ) : 肺悪寒
D五液 五臓化液 : 肺為涕(テイ、タイ、なみだ。涕=上から下へたれ落ちるなみだ。涙=はらはらと散り分かれるなみだ。)『潤於鼻竅也』≪重廣補註≫ (涕は鼻腔へ流れ下って、鼻腔内を湿らせるもの。鼻水と解する。
E五臓所蔵:肺蔵魄
F五臓所主:肺主皮
G五労所傷:久臥傷気 『労於肺也』≪重廣補註≫
H五脈応象:肺脉毛 『軽浮而虚如毛羽也』≪重廣補註≫

「霊枢・本神篇第八」

@肺喜楽無極則傷魄 傷魄則狂 狂者意不存 人皮革焦毛悴(やつれる)色夭(わかい、若死にする)死于夏

A肺蔵気
B気舎魄
C肺気虚則鼻塞不利少気
D(肺気)実則喘喝胸盈仰息 (喝カツ、しかる、大声で怒鳴る「恐喝」。はっはっとかすれ声を出す。(盈エイ、みちる=満)

「霊枢、五閲五使篇第三十七」

@五官 鼻者肺之官也・・・肺病者喘息鼻張

「霊枢、九針論篇第七十八」

@五臓気:肺主?(咳) ○六腑気 : 大腸小腸為泄
A五 味:辛入肺
B五并精気:并肺則悲
C五 悪:肺悪寒
D五 液:肺主涕
E五 労: 久臥傷気
F五 走 : 辛走気
G五裁(禁): 病在気無食辛
H五 蔵 : 肺蔵魄  (魄:「並精而出入者謂之魄」≪霊枢・本神篇第八≫)
I五 主 : 肺主皮

≪≪≪このページのトップへ戻る≫≫≫≪≪≪ホームページのトップへ戻る≫≫≫



肝・・・肝の属性

「素問、霊蘭秘典論第八」による属性

@肝者将軍之官
A謀慮出焉
*胆者中正之官。決断出焉。

「素問、六節蔵象論第九」による属性

@肝者罷極之本(罷極ひきょく=つかれはてる)。
A魂之居也。
B其華在爪。
C其充在筋。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・*
D以生血気。
E其味酸。
F其色蒼。
G此為陽中之少陽。
H通於春気。

「素問、五臓生成篇第十」による属性

@肝之合筋也・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・*
A其榮爪也
B其主肺也 (金克木)
C[五味所傷]多食辛。則筋急而爪枯。
D[五味之所合]肝欲酸。
*諸脉者皆属於目。・・・故人臥血帰於肝。肝受血而能視。足受血而能歩。掌受血而能握。指受血而能攝(セツ、とる)。
*諸筋者皆属於節。

「素問、臓気法時論篇第二十二」による属性(五味について)

@肝主春。足厥陰少陽主治。其日甲乙。
A肝苦(困、くるしむ)急(急する:きつい、ひきつる意)。急(急いで)食甘以緩之。
B肝欲散。急食辛以散之。用辛補之。酸瀉之。
C肝色青。(宣)食甘。粳(コウ、キョウ、うるち)米、。牛肉、棗(なつめ)、葵(ギ、キ、あおい)皆甘。
D<病症>
 肝病者、両脇下痛、引少腹、令人善怒。
E<虚証>
 虚則、目(ボウ、コウ、モウ:よく見えない。ぼやけて、かすんださま。)無所見目、耳無所聞、善恐如人将捕之
F<治療>
 取其経。厥陰與少陽。気逆則頭痛。耳聾不?(聡)頬腫。取血者。

「素問、宣明五気篇第二十三」による属性

@五味所入「五入」 : 酸入肝
*五味所禁[五禁] : 酸走筋。筋病無多食酸。(酸味は筋に浸透しやすい。収斂作用があるため、筋が引きつる。 薬の五味での酸味は、収斂や引き締める作用がある。山茱シュ萸ユ(虚汗の収斂)、金櫻子(遺精を止める)、五倍子(腸を固渋し下痢を止める)など。)
A五気所病「五病」 : 肝為語
B五精所并(アウまたは、ナラブ) : 并於肝則憂
C五臓所悪(キラウ) : 肝悪風
D五臓化液 : 肝為涙
E五臓所蔵 : 肝蔵魂
F五臓所主 : 肝主筋・・・・・・・・・・・・・・・・*
G五労所傷 : 久行傷筋『労於肝也』≪重廣補註≫
H五脈応象 : 肝脉絃*(絃ゲン=はじいて音を出す楽器の糸。玄ゲン=宙ぶらりんの細い糸の意。宙づりであいまい。)『?(ゼン=やわらかい)虚而滑端直以長也』≪重廣補註≫

「霊枢・本神篇第八」

@肝悲哀動中則傷魂 魂傷則狂忘不精 不精則不正 當(トウ、あたる。まさに・・・=当)人陰縮而攣(レン、つる、つれる)筋両脇骨不舉(キョ、コ、あげる=挙)毛悴(やつれる)色夭(わかい、若死にする)死于秋(冬と春では「于」ではなく「於」)  動中:中は「中焦」、「心の中」、「あたる」?
A肝蔵血
B血舎魂
C肝気虚則恐
D(肝気)実則怒

「霊枢、五閲五使篇第三十七」

@五官 目者肝之官也・・・肝病者眥(まなじり)青

「霊枢、九針論篇第七十八」

@五臓気 : 肝主語  ○六腑気 : 胆為怒
A五 味 : 酸入肝
B五并精気: 并肝則憂
C五 悪 : 肝悪風
D五 液 : 肝主泣
E五 労 : 久行傷筋
F五 走 : 酸走筋
G五裁(禁): 病在筋無食酸
H五 蔵 : 肝蔵魂  (魂:「随神往来者謂之魂」≪霊枢・本神篇第八≫)
I五 主 : 肝主筋

≪≪≪このページのトップへ戻る≫≫≫≪≪≪ホームページのトップへ戻る≫≫≫

脾・・・脾の属性

「素問、霊蘭秘典論第八」による属性

@脾胃者倉稟之官。 
A五味出焉。

「素問、六節蔵象論第九」による属性

@脾胃大腸小腸三焦膀胱者倉稟之本。
A名曰器。
B能化糟粕。
C伝味而入出者也。
D其華在脣(唇)四白。 『四白謂唇四際之白色肉也』≪重廣補註≫
E其充在肌。
F其味甘。
G其色黄。
H此至陰之類。
I通於土気。

「素問、五臓生成篇第十」による属性

@脾之合肉也
A其榮脣(唇)也
B其主肝也 (木克土)
C[五味所傷]多食酸。則肉胝(おしつけてかたくなったタコ、胼胝ヘンチ)芻?(匈ではなく、肉月+芻スウ、まぐさ、絞めて束ねた草。肉が堅くしめつっけられることか?)而脣(唇)掲(ケイ、かかげる、高く上げる)。
D[五味之所合]脾欲甘。

「素問、臓気法時論篇第二十二」による属性(五味について)

@脾主長夏。足太陰陽明主治。其日戊己。
A脾苦(困、くるしむ)濕。急食苦以燥之。
B脾欲緩。急食甘以緩之。用苦瀉之。甘補之。
C脾色黄。(宣)食鹹。大豆、豕(シ、いのこ、ぶた)肉、栗、?(カク:まめのは)皆鹹。
D<病症>脾病者、身重、善肌肉痿(しびれ・麻痺)、足不収、行善(ヤマイダレ+契、ケイ:ひきつけてぐっと縮む病気、痙攣か)脚下痛。
E<病症>虚則、腹満、腸鳴、(歹+食)泄、食不化。
F<治療>取其経。太陰陽明少陰血者。

「素問、宣明五気篇第二十三」による属性

@五味所入「五入」 : 甘入脾
* 五味所禁[五禁] : 甘走肉。肉病無多食甘。(薬の五味での甘味は、気や血を補い、痙攣を緩解する。ゆるむ。黄?(補気)、阿膠(補血)、甘草(痙攣の緩解)など。)
A五気所病 : 脾為呑
B五精所并(アウまたは、ナラブ) : 并於脾則畏
C五臓所悪(キラウ) : 脾悪湿
D五臓化液 : 脾為涎
E五臓所蔵 : 脾蔵意
F五臓所主 : 脾主肉
G五労所傷 : 久坐傷肉 『労於脾也』<重廣補註>
H五脈応象 : 脾脉代『?(ゼン)而弱也』<重廣補註>

「霊枢・本神篇第八」

@脾憂愁而不解則傷意 意傷則悗(バン、ボン:ぼんやり、うつつをぬかす。忘れる。)亂(ラン、ロン、みだれる=乱)四支不舉(キョ、コ、あげる=挙)毛悴(やつれる)色夭(わかい、若死にする)死於春
A脾蔵營
B營舎意
C脾気虚則四支不用五臓不安
D(脾気)実則腹脹経溲不利(溲ソウ、いばり:水にひたす、<解字>「水」+音符「叟」ソウ:細長く水をたらしてぬらす)

「霊枢、五閲五使篇第三十七」

@五官 口唇者脾之官也・・・脾病者唇黄

「霊枢、九針論篇第七十八」

@五臓気 : 脾主呑   ○六腑気 : 胃為気逆?(エツ、えずく「吐き気を催す」、越:障害を越えて出ると同系のことば。吐は中にたまったものを吐き出す。嘔はからだを曲げて声と物を出す。噫はゲップのこと。)
A五 味 : 甘入脾○淡入胃
B五并精気: 并脾則畏
C五 悪 : 脾悪湿
D五 液 : 脾主涎
E五 労 : 久坐傷肉
F五 走 : 甘走肉
G五裁(禁): 病在肉無食甘
H五 蔵 : 脾蔵意   (意:「生之来謂之精。両精相搏謂之神。随神往来者謂之魂。並精而出入者謂之魄。所以任物者謂之心。心有所憶謂之意。」≪霊枢・本神篇第八≫)
I五 主 : 脾主肌

脾臓について・・・・・・・五臓のひとつ。上腹部、中焦にある。

○ 性質

@燥を好み、湿(水湿)を嫌う。→「脾苦(くるしむ=困)濕(湿)」≪素問・臓気法時論篇第二十二≫。「脾悪湿」≪素問・宣明五気篇第二十三≫。

○ はたらき

@運化作用 → 消化吸収と水液の輸送
A統血作用 → 脾気虚などでこの統血作用が失調すると「出血」が起きるとされる。血脈は心がつかさどるとされる「諸血者皆属於心」≪素問・五臓生成篇第十≫
B昇気作用 → 脾気は清気を肺へ上昇させるとともに、内臓を所定の位置の保持するとされ、脾気虚などでこの昇気作用が失調すると「内臓下垂」「脱肛」「子宮脱」などが起きるとされる。
C益気作用 → 消化吸収により後天の気(栄養)を作り出すため、『脾は後天の元』と言われる。

○ その他

@意を蔵する → 「脾蔵意」≪素問・宣明五気篇第二十三≫「脾蔵營。營舎意。」≪霊枢・本神篇第八≫
A四肢をつかさどる → 運化作用と益気作用により、手足の力が充実する。「脾気虚則四支不用五臓不安。実則腹脹経溲不利。」≪霊枢・本神篇第八≫
B肌肉をつかさどる → 其充在肌≪素問・六節蔵象論第九≫
C口唇にあらわれる → 「口唇者脾之官也・・・脾病者唇黄」≪霊枢・五閲五使篇第三十七≫。「其華在脣(唇)四白(口唇の四隅の白肉)」≪素問・六節蔵象論第九≫*≪霊枢・経脈篇≫では足陽明胃経が「出挟口 環脣」と口唇をめぐり、足厥陰肝経が「其支者従目系下頬裏環唇内」と口唇の内側をめぐるが、足太陰脾経自体は「連舌本散舌下」と舌下に散じて終り口唇を循環していない。
D五行では「土」に分類 → 「通於土気」≪素問・六節蔵象論第九≫
E五味では甘 → 「其味甘」≪素問・六節蔵象論第九≫
F五色では黄 → 「其色黄」≪素問・六節蔵象論第九≫

≪≪≪このページのトップへ戻る≫≫≫≪≪≪ホームページのトップへ戻る≫≫≫



腎・・・腎の属性

「素問、上古天真論篇第一」

@腎者主水(腎は水を主どり)
A受五蔵六府之精而蔵之(五臓六腑之精を受け、而して之を蔵する)

「素問、霊蘭秘典論第八」による属性

@腎者作強之官。
A伎(技)巧出焉
*膀胱者州都之官。津液蔵焉。気化則能出矣。(矣イ、文末で断定や推定の語気を表す。読まない。)

「素問、六節蔵象論第九」による属性

@腎者主蟄(チュウ、かくれる)封蔵之本。
A精之處也。
B其華在髪。
C其充在骨。
D為陰中之少陰。
E通於冬気。

「素問、五臓生成篇第十」による属性

@腎之合骨也。
A其榮髪也。
B其主脾也。 (土克水)
C[五味所傷]多食甘。則骨痛而髪落。
D[五味之所合]腎欲鹹。
*諸髄者皆属於脳。

「素問、臓気法時論篇第二十二」による属性(五味について)

@腎主冬。足少陰太陽主治。其日壬癸。
A腎苦(困、くるしむ)燥。急食辛以潤之。開?理。到津液通気也。
B腎欲堅。急食苦以堅之。用苦補之。鹹瀉之。
C腎色黒。(宣)食辛。黄黍(ショ、きび)、?肉、桃、葱皆辛。
D<病症>腎病者
 腹大脛腫、喘咳(亥+欠)、身重、寝汗出、憎風。
E<虚証>
 虚則、胸中痛、大腹小腹痛、清厥、意不楽。
F<治療>
 取其経。少陰太陽血者。

「素問、宣明五気篇第二十三」による属性

@五味所入「五入」:鹹(カン、しおからい)入腎
*五味所禁[五禁]:苦走骨。骨病無多食苦。(苦味:苦入心。薬の五味での苦味は、瀉剤、燥湿剤。黄連(高熱を下げる)、大黄(下剤)、蒼朮(燥湿)など。苦味が心火を増すため腎水を損ない、骨へ影響すると言うのは疑問。)
A五気所病「五病」:腎為欠(ケツ、呵欠あくび、≪霊枢・九針論篇≫『腎主欠』≪金貴要約)・腹満寒疝宿食病脈証治≫『寒邪に侵犯された病人はよくあくびをする』)、為嚏(テイ、くさめ)
B五精所并(アウまたは、ナラブ) : 并於腎則恐 ・・・是謂五并。虚而并者也。
C五臓所悪(キラウ) : 腎悪燥
D五臓化液:腎為唾 ・・・是謂五液
E五臓所蔵:腎蔵志 ・・・是謂五臓所蔵
F五臓所主:腎主骨・・・・・・・・・・・・・・・・*
G五労所傷:久立傷骨 『労於腎也』≪重廣補註≫ ・・・是謂五労所傷
H五脈応象:腎脉石『沈緊而搏(拍)如石之投也』≪重廣補註≫

「霊枢・本神篇第八」

@腎盛怒而不止則傷志 志傷則喜(善くの間違えでは)忘其前言腰脊不可以俛(ベン、ふす、たれる)仰(ギョウ、あおぐ)屈伸毛悴(やつれる)色夭(わかい、若死にする)死于季夏  (「・・・怒」腎が盛んであると、その子「肝」も盛ん「実」となるからか? 
A腎蔵精
B精舎志
C腎気虚則厥  (厥:厥冷、四肢厥冷)
D(腎気)実則脹五蔵不安 (脾の実証の記述にも「五蔵不安」の四文字が最後に付いている。「・・・・五蔵不安」のあとに「必審五蔵之病形以知其気之虚実謹而調之也」の最後の記述がつづくいて≪霊枢・本神篇≫は終わる。)

「霊枢、五閲五使篇第三十七」

@五官 耳者腎之官也・・・腎病者顴(ほおぼね)與(と)顔黒

「霊枢、九針論篇第七十八」

@五臓気:腎主欠*六腑気:膀胱不約為遺溺(尿) 欠*:「あくび」の意。「呵(カ)欠」=あくびをする。または「不足する」意。
A五 味:鹹入腎
B五并精気:并腎則恐
C五 悪:腎悪燥
D五 液:腎主唾
E五 労:久立傷骨
F五 走:鹹走骨*
G五裁(禁):病在骨無食鹹
H五 蔵:腎蔵精志 (志:「生之来謂之精。両精相搏謂之神。随神往来者謂之魂。並精而出入者謂之魄。所以任物者謂之心。心有所憶謂之意。意之所存謂之志。因志而存変謂之思。因思而遠慕謂之慮。因慮而處(所)物謂之智。故智者之養生也。」≪霊枢・本神篇第八≫)
I五 主:腎主骨

≪≪≪このページのトップへ戻る≫≫≫≪≪≪ホームページのトップへ戻る≫≫≫