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セイ鍼灸院ホームページ  (資料10) 
 ■ 「霊枢・経脈篇第10」

手の太陰肺経   ◆手の陽明大腸経 ◆足の陽明胃経   ◆足の太陰脾経
手の少陰心経   ◆手の太陽小腸経 ◆足の太陽膀胱経 ◆足の少陰腎経
手の厥陰心包経 ◆手の少陽三焦経 ◆足の少陽胆経   ◆足の厥陰肝経

雷公、黄帝に問うて曰、禁脈の言、凡そ刺の理は経脈始まるを為す。・・・

◆ 手の太陰肺経
1.流注                               

直 訳 原 文 備 考

肺は手の太陰の脈 肺手太陰之脈
起 始 中焦に起こる 起于中焦
下りて大腸をまとう 下絡大腸 絡:(動詞)まとう、からむ、つな
がる(連絡)

還って胃口を循る 還循胃口 還:ぐるりとめぐってかえる
膈に上り肺に属す 上膈属肺

のつながり(系)の横より
(肺より横にのびつながり)
従肺系横 従:(前置詞)〜より。〜から。時
間場所の起点。(動詞)したがう、
前の者について行く
系:(動詞)つなぐ、つながる (名
詞)つながり、つながりを持つ仲
間。

<解字>「ノ印(引き伸ばす意)+
糸」糸をつないでのばす。
横:(名詞)中心線の左右。(動
詞)横たえる。

腋下に出る 出腋下

下りて臑の内を循る 下循臑内 臑:腕の上半分。やわらかい肉
の意。

少陰心主の前を行き 行少陰心主之前

肘内側に下り 下肘中 肘:腕のなかほどを言う。

腕の内側で上の骨の下廉(下の角)に沿って
循り
循臂内上骨下廉 臂:ヒ、肩から手首に至る腕全
体の部分。腕の外側の薄く平ら
に肉が付いている部分。腕の上
半分(肩からひじ)を言うことも。
壁と同系のことば。

寸口に入り 入寸口 寸口:腕関節部橈骨動脈拍動

魚に上り 上魚 魚:拇指丘のふくらみ。魚腹に
似るため(橈側から見る)。

魚際を循り 循魚際 魚際:魚の背面と掌の皮膚色の境目。
停止 大指(第一指)の端に出る 出大指之端
支脈
起始
その支脈は腕後よりまっすぐに次指(次指)内側に出て 其支者従腕後直出次指内廉 従:(前置詞)・・・より〜する。
腕:手首の付け根。
支脈
停止
その端に出る 出其端
2.是動病 「是動則病、・・・」 これ(手の太陰肺経)が変動すれば則病となり、・・・肺(月+辰:「脹」の誤り)満膨膨而喘咳、上り(欠)盆中痛む、甚だしきは則両手を交差し(ボウ・くらい: 目がくもってよく見えない。霧ムと同系のことば。
乱:ボウラン心が乱れる。)此れ臂厥と為す。
3.所生病 「是主肺所生病者・・・」 これ(手の太陰肺経)は肺を主っていて、そのところ生ずる(「所生」は「生ずる所」と読み、、五行の相生相克関係での母子相生を意味するか?。素問・臓気法時論篇など)病は、咳、上気、喘、渇、煩心、胸満、臑臂内前廉痛厥(冷え)、掌中熱、気盛有余則肩背痛、風寒汗出、中風小便数而欠(量が減る)、気虚則肩背痛、寒少気不足以息溺色変、為此諸病。
4. 経脈経穴を用いての治療原則です。「盛則寫之 、虚則補之、熱則疾之、寒則留之、陥下則灸之、不盛不虚以経」陰陽虚実を診断し「盛ん(実)ならばこれを寫して取り除き、虚(不足)ならばこれを補い、熱であれば速くし、寒(冷え)であればこれを留め、陥下(く窪み)には灸し、虚実関係のないものはその経脈のみを取って治療する」。
5.手太陰気絶則・・・皮毛焦(こげる)。太陰者行気温于皮毛者也。故気不榮則・・・皮毛焦。皮毛焦則・・・津液去皮節。津液去皮節者則・・・爪枯折毛。折毛者則・・・毛先死(ヘイ、ひのえ、あきらか:火の燃えて広がるさま「炳」<枝毛のひどい状態か?>)篤(トク、あつい、病気が重い=危篤、重篤)(テイ、ひのと)死火勝金也。
6.手太陰之別名曰列缺(欠)、起于腕上分間並太陰之経直入掌中散入魚際其病實則手鋭熱虚則欠(去+欠)、小便遺数取之去腕半寸別走陽明也。

◆ 手の陽明大腸経
1.流注 

直 訳 原 文 備 考

大腸は手の陽明の脈 大腸手陽明之脈
起始 大指の次指の端に起こり 起于大指次指之端


循指上廉


出合谷両骨之間


上入両筋之中


循臂上廉


入肘外廉


上臑外前廉


上肩出?骨之前廉
交会 上りて柱骨の会に出でる 上出于柱骨之會 柱骨之會:大椎穴
上り下りて、欠盆に入り、肺を絡う 上下入欠盆絡肺
膈を下り、大腸に属す 下膈属大腸
支脈 その支脈は欠盆より頸を上り 其支者従欠盆上頸

頬を貫きて下歯に入り中を還り 貫頬入下歯中還
交会 口を挟むに出でて、人中に交わり 出挟口交人中

左は右へ、右は左へ行き 左之右右之左

鼻孔を挟みて上る 上挟鼻孔
2.是動病 「是動則病、・・・」 これ(手の陽明大腸経)が変動すれば則病となり、・・・歯痛、頸腫。
3.所生病 「是主津液所生病者・・・」 これ(手の陽明大腸経)は津液をつかさどっており、そのところに生じる病は・・・
目黄、口乾、衄(キュウジク、鼻衄ハナヂ)、喉ヒ(病ダレ+卑)肩前臑痛、大指次指痛不用。気有余則当脈所過者熱腫、虚則寒慄(リツ、おそれおののく)不復。為此諸病。
4.経脈経穴を用いるときの [ 治療原則 ]・・・・手の太陰肺経に同じ文面の繰り返し(肺経参照)
5.気絶についての記述は、肺心脾腎肝の五蔵に属する陰経は各経ごとに記述されるが、手厥陰の記述はなく、陽経は「六陽気絶則陰與陽相離・・・」と六陽経をひとまとめに記述。足厥陰肝経の下、経脈篇最終部参照。
6.手陽明之別名曰偏歴、去腕三寸、別入太陰、其別者上循臂、乗肩グウ(骨+禺)(肩端両骨之間<甲乙>)、上曲頬偏齒(歯)、其別者入耳合于宗脉(ここでの「宗脈」は目を意味すると思われる)實則齲(むしば)聾、虚則齒寒痺、隔(カク、へだてる)取之所別也。

◆ 足の陽明胃経
1.流注 

直 訳 原 文 備 考


胃足陽明之脈
起始 鼻之(これ)「安+頁」(アン)、両
目頭の中間)と交差する中心で、傍
らには太陽の脈が納まるているとこ
ろに起こる。
起於鼻之交
中旁納太陽之脈
(アン)両目頭の中間、山根(さんこん)とも
言う。
旁納太陽之脈:睛明穴を言う。
大腸経の停止部は、『上挟鼻孔』
・・・鼻孔を挟んで上る
・・・鼻孔を挟むに上る

下りて鼻の外を循り 下循鼻外

上歯中に入り、還り 入上歯中還

口を挟むに出でて 出挟口

唇を環り 環脣

下りて承漿に交わり 下交承漿

却(しりぞく、かえって)?(おとがい、
あご、)の後下廉(カド、境目)を循り
却循頤後下廉 却(しりぞく、かえって)?(おとがい、あご、)の後
下廉(カド、境目)を循り却循頤後下廉
?(ガイ、おとがい):いわゆるアゴのことで、承
漿穴のある正中のオトガイ唇溝から下顎骨の
下縁までを言う。
腮(サイ、あご、えら、):口の外側
頤(イ、おとがい):?部の外側上方、口角の外
側下方で、腮部の下方の部位。
廉:かどの意、物を区別する境目。『頤後下
廉』頤の後の下のかど。廉=廉泉穴


出大迎循頬車 頬車:下顎骨を言う(下牙床)


上耳前過客主人


循髪際至額顱 額顱(ガクロ):?(ソウ)とも言い、ひたい「額」に
同じ。
支脈 その支脈は、大迎の前より 其支者従大迎前 大迎:大迎骨=下顎骨を言う。陽明胃経の
穴。「曲頷(ガン、あご)の前1寸3分」≪甲乙経

人迎へ下り 下人迎 人迎:喉仏(喉頭隆起)の外方総頸動脈の拍動
部。または、後方、胸鎖乳突筋の前縁、足陽
明胃経の経穴。

(口+龍)を循り 循喉 (コウロウ):広く喉頭腔を指して言う。
「のど仏」の出っ張りではない。龍はへび状の
細長いものの意、はのど、のど笛。長い
筒状ののど笛。

欠盆に入る 入缺盆

膈に下り 下膈
胃に属し 属胃
脾を絡う。 絡脾
本経 その直なるは、欠盆より 其直者従缺盆

乳の内側を下り 下乳内廉 乳:乳首。内廉:内側のカド(境目).。
本経

停止
臍を挟んで下り鼠徑部の中に入る 下挟臍入気街中 気街(キガイ):気衝とも言う。少腹と大腿の境、
鼠徑部を指す。
≪霊枢・衞(衛)気篇≫では六腑を指す
支脈 その支脈は胃口に起こり 其支者起于胃口

下りて腹裏を循り 下循腹裏

下りて気街(または気衝、鼠徑部)中
に至りて(本経に)合す
下至気街中而合

もって、髀関(股関節部)を下り、伏
兎にあたり
以下髀關抵伏兎 髀(ヒ、もも)大腿骨。關(カン、せき、かかわる)
=関、扉をつなぎとめるカンヌキの意から、つ
なぎ目のしくみ、からくりを意味する。抵(テイ、
タイ、あたる)


下膝 (ヒン)膝蓋骨。賓:ピタリとつく意。「あしき
り」膝蓋骨を切り取る刑罰


下循脛外廉


下足 (フ):足の甲。「くびす」とは読まない。
「跟」、「踵」はともにカカト、「踝」はくるぶし、こ
の三者はすべて「くびす」とも読む。


入中指内間
支脈
其支者


下廉三寸而別 廉は膝を三寸下った脛の外廉で足三里穴
か。豊隆穴はこの支脈のツボ?


下入中指外間
支脈
其支者



停止
入大指間出其端 足第一指、太陰脾経、隠白穴の反対側。
2.是動病 「是動則病、・・・」 これ(足の陽明胃経)が変動すれば則病となり、・・・洒洒(サイ、セイ、さらさらと水を流して洗う)振寒、善く呻(うめ)く、数欠(数:回数が多い、欠:あくび)、顔黒、病至れば則悪人與火(人と火を嫌う)、聞木声(木を打ち鳴らす音を聞けば)則タ(テイ、おそれる)然(しかして)驚(おどろき)。心欲動、独り戸を閉め?(まど)を塞ぎ、而して、甚だしきは、則、高きへ上って歌い、衣服を脱ぎ捨てて走る、賁(フン、大きい、大きく膨れた意、「奔ホン」に通じ勢いよく吹き出す意か?)響(キョウ、ひびきつたわる意)、腹脹。
3.所生病 「是主血所生病者・・・」 これ(足の陽明胃経)は血をつかさどっており、そのところに生ずる病は・・・
狂(精神病の一つ、たけり狂い動作が荒々しく常軌を逸した行為)、瘧(ギャク、おこり、瘧疾:?(ガイ・おこり)瘧と総称された寒戦、高熱、発汗などを起こす熱病、マラリアなど)、温淫、汗出、衄(鼻血)、口(唇)、頸腫、喉ヒ、麻痺の「痺」とは本来別字だが、混同されている場合が多い。)、大腹水腫、膝腫痛。循る[膺(オウ、ヨウ、うける、胸)乳〜気街〜股〜伏兎〜骭(カン、太い骨のあるむこうずね=頚骨)外廉〜(フ、足の甲)上]皆痛む。中指用いられず、

[実証の場合] 気盛んなれば、則、身体の前側がすべて熱し、胃に其余分な熱が有れば、則、消穀善飢し、溺(尿)色黄。
[虚証の場合] 気が不足ならば、則、身体の前側がすべて寒慄(寒くて震える)し、胃中冷えれば(寒)則脹満す。為此諸病。

4.経脈経穴を用いるときの [ 治療原則 ]・・・・手の太陰肺経に同じ文面の繰り返し(肺経参照)
5.気絶についての記述は、肺心脾腎肝の五蔵に属する陰経は各経ごとに記述されるが、手厥陰の記述はなく、陽経は「六陽気絶則陰與陽相離・・・」と六陽経をひとまとめに記述。足厥陰肝経の下、経脈篇最終部参照。
6.足陽明之別名曰豊隆、去踝八寸、別走太陰。其別者循脛骨外廉、上絡頭項合諸経之気、下絡喉?(エキ、のど、むせぶ)。其病、気逆則喉痺瘁(スイ、つかれる)?(イン、おし)、實則狂顛(テン、いただき、たおれる)、虚則足不収脛枯。取之所別也。(「別のところに取る」とは、本文流注中の「支脈」のところ2ヶ所「下廉三寸而別」「別上」)

◆ 足の太陰脾経
1.流注 

直 訳 原 文 備 考


脾足太陰之脈
起始
起于大指之端


循指内側白肉際


過核骨後


上内踝前廉


(セン、かかと、足+端ハシ、古訓では、
コムラと訓ずる。)踵(ショウ、体重がかかる)跟
(コン足+根) 足へんでなく月(肉)ならば、?セ
ン、ゼン、コムラ、ふくらはぎ

脛骨の後を循り 循脛骨後

厥陰の前へ交差し出でる 交出厥陰之前

膝とももの内前廉を上り 上膝股内前廉 股(コ、もも)
属絡 腹に入り、脾に属し胃を絡う 入腹属脾絡胃

膈を上り、咽を挟み、 上膈挟咽
停止 舌本に連なり舌下に散じる。 連舌本散舌下
支脈 その支脈は、また胃より別れ、 其支者復従胃別
停止 膈へ上り心中へ注ぐ 上膈注心中
2.是動病 「是動則病、・・・」 これ(足の太陰脾経)が変動すれば則病となり、・・・
 舌本強ばる、食せば則嘔吐す、胃痛、腹脹、善く噫(アイ、あくび)をし、得た後は心地良い(快)、しかし(然)、衰弱した如く身体皆重い。
3.所生病 「是主脾所生病者・・・」 これ(足の太陰脾経)は脾をつかさどっており、そのところに生ずる病は・・・
 舌本痛、体動揺不能、食下らず、煩心、心下急痛、溏(トウ、ドウ。大便稀薄。溏泄トウセツ:(ボク、アヒル)泄:水分を多く含んだ下痢。アヒルの糞に似るために言う。)(カ、気が集まって起こる一種の病名。)泄(セツ、もれる、下痢)。水閉、黄疸、臥す不能、強いて立てば股膝の内側が腫れる。厥すれば足の大指用いられず。為此諸病。
4.経脈経穴を用いるときの [ 治療原則 ]・・・・手の太陰肺経に同じ文面の繰り返し(肺経参照)
5.足太陰気絶者則・・・
 脈不榮肌肉、脣(口唇)舌者肌肉之本也。脈不榮則肌肉軟、肌肉軟則舌萎人中満、人中満則脣反、脣反者肉先死、甲篤乙死、木勝土也。
6.足太陰之別名曰公孫去本節之後一寸、別走陽明、其別者入絡腸胃。厥気上逆則霍(カク、にわか)亂(乱)。實則腸中切痛、虚則皷(コ、つづみ)脹。取之所別也。

◆ 手の少陰心経
1.流注 

直 訳 原 文 備 考


心手少陰之脈
起始
起于心中

出属心系

下膈絡小腸
支脈
其支者復従心経


却上肺


下出腋下


循臑内後廉 臑内後廉:上腕部の内後側


行手太陰心主之



下肘内


循臂内後廉 臂内後廉:前腕部の内後側


抵掌後鋭骨之端 掌後鋭骨之端:手掌面手根部尺側の豆状骨の端


入掌内後廉


循小指之内
停止
出其端
2.是動病 「是動則病、・・・」 これ(手の少陰心経)が変動すれば則病となり、・・・
  (咽)乾き、心痛、渇而欲飲、是為す臂厥(参照:厥)。
3.所生病 「是主心所生病者」 これ(手の少陰心経)は心をつかさどっており、そのところに生ずる病は・・・
  目黄、脅*痛(はりきんだ手(力)、両わきから力で挟むさま。脅は両わきからからだをはさむわき(脇)のこと。「胸*」の字を用いず「脅」をつかうのは、胸が締め付けられる痛みの意味か?)、臑(上腕)臂(前腕)内後廉(側)痛み厥す、手掌中熱痛す、此れら諸病を為す。
4.経脈経穴を用いるときの [ 治療原則 ]・・・・手の太陰肺経に同じ文面の繰り返し(肺経参照)
5.手少陰気絶則・・・
  脈不通。脈不通則血不流。血不流則髦(ボウ、モウ、たれがみ=眉にかかる前髪、長い髪)色不澤。故其面黒如漆柴者血先死。壬篤癸死、水勝火也。
6.手少陰之別名曰通里、去腕一寸半別、而上行、循経、入于心中、繋舌本、属目系。其實則支膈、虚則不能言。取之掌後一寸半別走太陽也。

◆ 手の太陽小腸経
1.流注 

直 訳 原 文 備 考


小腸手太陽之脈
起始
起于小指之端


循手外側* 手外側*:「廉」を使わず「側」としている。
 参照:廉

腕(腕関節、手首)に上り 上腕

*(下橈尺関節部、尺骨
形状突起部のまるい膨隆)
の中央に出る
出踝* *(足のくるぶし)==果(まるい意)

まっすぐ上り、臂骨(尺骨)
下縁を循り、
直上循臂骨下廉


出肘内側両筋之間

上りて、上腕(臑)の外後側
を循り
上循臑外後廉

肩関節(肩解)に出で 出肩解

肩胛(甲)をまとい 繞肩胛 繞(ジョウ、まとう、めぐる)、胛(コウ、かいがらぼね)=
肩甲骨


交肩 「交」肩のどこに交わるのか?=大椎穴:「三陽督
脈之會也」≪甲乙経≫、「手足三陽、督脈之會也」≪
銅人≫などから考えた場合、肩・肩上が大椎と言え
る。 上腕部分寸「肩より肘17寸」全日本鍼灸学会発
表実測では上腕水平位で大椎の上(第7頚椎棘突
起)から肘までが17寸であった。

上入缺盆絡心 「上入缺盆」:大腸経では「上下入欠盆」となっている。


循咽


下膈

抵胃属小腸
支脈 その支脈は缺盆より 其支者従缺盆

頸をめぐり、頬に上り、まな
じりに至る
循頸上頬至目鋭眥 眥=眦(まなじり)
停止 しりぞき返って耳中に入る 却入耳中
支脈 その支脈は頬で別れ 其支者別頬

目(眼窩)のふちを上り (セツ)?頬骨(顴)のでっぱり部分のことか。
(キョウ、まぶち)目のふち(眼窩の周囲)の骨。
≪張介賓・類経≫註:『。音拙(セツ、セチ)。目下
也。』骨(セツコツ):眼窩下縁の骨を指す。≪中国漢
方医語事典1980年(株)中国漢方≫とある。

鼻にあたり、目の内眦に至
抵鼻至目内眥 眥=眦、まなじり。「内眥」「内」が付くことにより眼頭。

ななめにほお骨(顴)につな
がる(絡)
斜絡于顴 顴ケン、カン、頬骨
2.是動病 「是動則病・・・」これ(手の太陽小腸経)が変動すれば則病となり、・・・
 (=咽・のど)痛み、頷(あご)腫れ、顧ことができない、肩が抜けるに似る、上腕(臑)が折れるに似る。
3.所生病 「是主液所生病者・・・」 これ(手の太陽小腸経)は液をつかさどっており、そのところに生ずる病は・・・
  耳聾、目黄、頬腫れ、頸、頷、肩、臑、肘、臂の外後側(廉)痛、これら諸病を為す。
4.経脈経穴を用いるときの [ 治療原則 ]・・・・手の太陰肺経に同じ文面の繰り返し(肺経参照)
5.気絶についての記述は、肺心脾腎肝の五蔵に属する陰経は各経ごとに記述されるが、手厥陰の記述はなく、陽経は「六陽気絶則陰與陽相離・・・」と六陽経をひとまとめに記述。足厥陰肝経の下、経脈篇最終部参照。
6.手太陽之別名曰支正、上腕五寸内注少陰。其別者上走肘、絡肩?。實則節弛肘廃、虚則生肬(ユウ、いぼ)、小者如指痂(カ、かさぶた)疥(カイ、はたけ)。取之所別也。

◆ 足の太陽膀胱経
1.流注 

直 訳 原 文 備 考


膀胱足太陽之脈
起始 目の内眥に起こり 起于目之内眥

額を上り巓に交わり 上額交巓 巓(てん)頭頂。

入りて脳をまとい 入絡脳 百会で脳に入るか?

還り出て項に別れ下る 還出別下項

肩甲骨の内側を背骨を挟み循り 循肩内挾脊 (肩甲骨)

腰の中央に当たり(抵)て、入りて背
骨(膂)を循り
抵腰中入循膂 抵(テイ)、とまる、いたる。<解字>氏は積み
重ねたもの+一印で、堆積物の下底をしめ
す。:積み重なった脊の最下部で腰に突き当
たる意か。
膂(リョ、ロ)、膂骨:脊椎の総称。<解字>
旅:旗印のもと隊列をくんだ人々の意。膂:隊
列や旅人の行列のように並んだ骨。
絡属 腎をまとい膀胱に属す 絡腎属膀胱
支脈 その支脈は腰の中より 其支者従腰中

脊(椎)を挟み臀(部)を貫き下る 下挾脊貫臀
停止
入膕中 膕 : カク・ひかがみ。膝の裏のくぼみ、膝窩
のこと。「ひきかがみ」が転じたことば。引屈。
「よほろ」ともいう
支脈
其支者従


左右別


下貫胛挾脊

髀樞(股関節)を過ぎる(通過する) 内過髀樞 内・・・?股関節の内側を通過する意か?
髀(ヒ、もも)。樞(スウ、とぼそ、からくり)。
髀樞:大腿骨大転子の部位、股関節。また
は、骨盤外側中央の寛骨臼の部位を指す。
「機」とも言う。


循髀外


従後廉
下りて膕中に合す 下合膕中

以って腓腹筋()内を貫き下り 以下貫* *セン、かかと、ふくらはぎ
<唐、王冰註「都玩切足跟也」>とあるが、次
に「外踝之後」の記述があるためここでは腓
腹筋と解するべき。


出外踝之後


循京骨 京骨:第五中足骨基底部。経穴名。
停止
至小指外側
2.是動病 「是動則病、・・・」 これ(足の太陽膀胱経)が変動すれば則病となり、・・・
 衝*頭痛(衝*:つく、ぶちぬけるような勢いで物にあたる。<解字>重は「人+土+東(音符)」からなり、人が地面をつきぬくようにとんと重みをかけること。衝は「行(みち)+重」どんとつきぬける大通りのこと。)、目は脱するに似項は抜けるが如し脊は痛み腰は折れるに似たり(ヒ、もも、大腿骨。髀樞=股関節)が曲げられない膕は結する如し
(ふくらはぎ)は裂けるが如し。是を踝厥と為す。
3.所生病 「是主筋所生病者・・・」 これ(足の太陽膀胱経)は筋をつかさどっており、そのところに生ずる病は・・・
 、瘧(おこり、参照:瘧疾:急性熱病)、狂、癲疾(参照:巓疾)、頭(:シンは、門「ひよめき」=大、小の泉門のこと。頭填:テン、泉門が腫れて隆起する、陥:泉門が穴のように陥下する、などの病症を言うものと思われる。)頂痛、目が黄く涙が出る、鼻衄、項、背、腰、尻、膕、、脚(原文では、月+卻キャク・しりぞく・かえって)みな痛み、小指用いられず。これら諸病を為す。
4.経脈経穴を用いるときの [ 治療原則 ]・・・・手の太陰肺経に同じ文面の繰り返し(肺経参照)
5.気絶についての記述は、肺心脾腎肝の五蔵に属する陰経は各経ごとに記述されるが、手厥陰の記述はなく、陽経は「六陽気絶則陰與陽相離・・・」と六陽経をひとまとめに記述。足厥陰肝経の下、経脈篇最終部参照。
6.足太陽之別名曰飛陽去踝七寸、別走少陰。實則?(鼻+九、キュウ、鼻水・鼻づまり)窒(チツ、ふさがる)頭背痛、虚則?衄(ジク、鼻血)。取之所別也。

◆ 足の少陰腎経
1.流注 

直 訳 原 文 備 考


腎足少陰之脈
起始 小指の下に起こり 起于小指之下

邪は足心に走り 邪走足心

燃谷の下に出で 出于燃谷之下

内踝の後を循り 循内踝之後
かかとの中に別れ入る 別入跟中 跟:かかと、=踵。

以ってふくらはぎの内を上り 以上

大腿の内後側を上り 上股内後廉
属絡 脊椎を貫き、腎に属し、膀胱を絡う 貫脊属腎絡膀胱
その直なるはより 其直者従腎

上りて膈を貫き 上貫肝膈

中に入り 入肺中

を循り 循喉* :(コウロウ):広く喉頭腔を指して言
う。足陽明胃経に「其支者従大迎前下人迎
循喉」の記述あり。「のど仏」の出っ張り
ではない。龍はへび状の細長いものの意、
はのど、のど笛。長い筒状ののど笛。
停止 舌本を挟む。 挟舌本
支脈 その支は、肺より出て 其支者従肺出

心を絡して胸中へ注ぐ 絡心注胸中 「循膂當心入散」《経別篇》一合、足太陽之
正・・・の記述。足少陰之正には心の記述は
ないが、膕中に至った後「別走太陽而合」足
太陽と合している。
2.是動病 「是動則病・・・」これ(腎足少陰の脈)が変動ずればすなわち病み・・・
 饑(うえ)て食を欲さず、面(顔色が)漆の紫の如く、(ガイ、=咳)をして唾に血有り、喝喝(カツ、原文では、「ロ+曷」しかる。大声で怒鳴る。ハッハッとかすれ声を出す。俗に、水や酒を飲む。)しかして(而)喘す(あえぐ、ハッハッと短い息づかいをする。)、坐して、しかして(而)起きようと欲す(起座呼吸のこと)。目は   (コウ「目+ない、むなしい」よく見えない、ぼやけてかすんださま。参照:素問・蔵気法時論篇第二十二「肝病者・・・」同症状を腎ではなく肝の虚証とする。)として見る所無きが如し、心は懸(ケン、かける、かかる、かけ離れる。<解字>県は首の逆形で、首を切って宙吊りにしたさま。縣「県+系(ケン)」はぶら下げる意。懸は心が決まらず気がかりなこと、「懸心」:不安に思い心配すること。また、宙吊りの原義をあらわす。)如し、若し、饑た状態で気が不足すれば則、よく恐れ、心タタ(テキ、おそれる、うれえる。<解字>「易」は薄く平らな意。心が厚みを失い、薄く心細くなる。タタ:おびえるさま。ビクビクして心を労するさま。)將(まさに・・・せん)に、これ捕らえられる人の如し(原文「如人將捕之」)、是骨厥を為す。
3.所生病 「是主腎所生病者」 これ(足の少陰腎経は)腎を主どり、その所に生ずる病は・・・
 口熱し、舌乾き、腫れ、上気(肺気の上逆を言うが、腎経脈は肺に入るため上気にも関係すると考えられる)し、*(のど=咽)乾き、および、痛む(原文「上気乾及*痛」)。煩心、心痛(腎経の支脈は肺より出て心を絡う)、黄疸(?)、腸(:ヘキ、布を平らにのばしてさらして洗う意。腸:チョウヘキ痢疾(水様性の下痢)のこと。参照:痢疾)、脊股内後廉痛、痿厥(手足(腎経であるため特に足)が萎えて力がなくなり、冷えること)、嗜臥(寝ころがるのを好む)、足下熱し(而し)て痛む。此れら諸病を為す。 * 及*:キュウ、およぶ、および、(動)追いつく。そのところ・ときに届く。・・・のうちに。そんなことまで行なう。そこまで物事の範囲を広げる。および(接続詞)AとBとの物事を列挙する意をあらわすことば。 * 咽*:のど(名)つかえた食べ物をのみ下すのど。(動)のみ下す。むせぶ(動)のどにつかえる。<解字>因は人「大」が□印の敷物の上に寝て上から下へと押さえる姿。咽は上から下へとぐっと押さえてのみ下すこと。印(上から下へ押す)と同系のことば。呑:ずっしりとした物をかまずにのみ下す。飲:液体をのむ。 * *:のど(名)狭く、つまる形をしたのど。咽喉。むせぶ(動)狭いのどにつかえる。<解字>(=益)は、水がいっぱいにつまる姿。つかえていっぱいになる意。のどがつまる意。咽ときわめて近い。
4.経脈経穴を用いるときの [ 治療原則 ]・・・・手の太陰肺経に同じ文面の繰り返し(肺経参照)
5.足少陰気絶則・・・骨枯。少陰者冬脈也。伏行而濡骨髄者也。故骨不濡則肉不能著也。骨肉不相親則肉軟卻(キャク、カク、しりぞく、かえって=却。くぼむ、ひっこむ意)。肉軟卻故歯長而垢(コウ、あか)髪無澤。髪無澤者骨先死、戊篤己死、土勝水也。
6.足少陰之別名曰大鐘、當踝後繞(ジョウ、まとう、めぐる)跟、別走太陽、其別者并(ヘイ、あわせ、ならぶ)経上走心包、下外貫腰脊。其病気逆則煩悶、實則閉?(リュウ)、虚則腰痛、取之所別也。

◆ 手の厥陰心包経
1.流注 

直 訳 原 文 備 考

心が主どる手厥陰心包絡の脈は *手厥陰心包
*之脈
心主*:経脈篇の他の経脈の書き出し部分で
は、所属臓腑名につづいて経脈の属性となる
が、心包経では「心包」ではなく「心主」と記述さ
れる。
《素問・霊蘭秘典論第八》に『心者君主之官也。
神明出焉。』とあり、「心主」の表現が「君主の尊
称」のように思われがちだが、本来ここには手の
厥陰の脉の所属臓腑名が来るべきところであ
る。文中に「属心包絡(心包絡に属す)」とあること
と、書き出し部分で「心主」につづき「手厥陰心包
絡之脈」とあることから、「心包」自体が臓腑では
なく「絡脉」であり、それを管理する(主どる)臓腑
が「心」であると解する。また、証候名記述の個
所では、他の陰経脈が所属蔵腑名であるのに
対し「・・・是主脈所生病者・・・」(これ脈を主どる)
と記されており、≪素問、宣明五気篇第二十三
≫や≪霊枢、九針論篇第七十八≫では『心主
脈』であるので、心包(絡)は心と一体のものと考
えられる。参照:心 包・ 五臓「心」
胸中に起こり 起于胸中 「絡心注胸中」心を絡し胸中へ注いで終わる腎
経の支脈の流れを受けて・・・胸中に起こる
心包絡に属し出でて・・・ 出*属心包絡
膈に下り三焦を歴絡し 下膈絡三焦 ; レキ、こよみ(暦)の異体字。歴:(動)へ
る、並んだ点を次々と通る意味。
「暦絡三焦」とは、上焦、中焦、下焦を次々と絡
う(めぐる)意。
その支は胸を循り 其支者循胸

脇*の下方三寸に出て 出脅*下三寸 *脅:からだを両わきから挟む「わき」のこと。日
本では、はさむ動作やおびやかす意を「脅」と書
き、わきという名詞を「脇」と書くが、脅=脇の同
類語。わき、わき腹。わき骨。脇腹部の側面。

上りて腋下にあたり 上抵腋* *腋:わき、胸を挟んで左右あるわきのした。わ
きの下の柔らかい皮。わきに手を入れて支え
る。=掖エキ(同)。<解字>「亦」エキの原義は、
人の両わきの下を点で示した指示文字。同じも
のがもうひとつある意をふくむことから、「もうひと
つ、・・・もまた」の意に使われるようになった。こ
のため、夜{夕(三日月)+亦}「昼を挟んでその両
わきにある夜の意」に肉月をつけ、胸をはさんで
左と右に同じものがもうひとつあるわきをあらわ
す。

臑(上腕)内側を循り 循臑内




























































2.
3.
4.経脈経穴を用いるときの [ 治療原則 ]・・・・手の太陰肺経に同じ文面の繰り返し(肺経参照)
5.
6.

◆ 手の少陽三焦経
1.流注 

直 訳 原 文 備 考




























































































2.
3.
4.経脈経穴を用いるときの [ 治療原則 ]・・・・手の太陰肺経に同じ文面の繰り返し(肺経参照)
5.
6.

◆ 足の少陽胆経
1.流注 

直 訳 原 文 備 考




























































































2.
3.
4.経脈経穴を用いるときの [ 治療原則 ]・・・・手の太陰肺経に同じ文面の繰り返し(肺経参照)
5.
6.

◆ 足の厥陰肝経
1.流注 

直 訳 原 文 備 考




























































































2.
3.
4.経脈経穴を用いるときの [ 治療原則 ]・・・・手の太陰肺経に同じ文面の繰り返し(肺経参照)
5.
6.