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整形外科的疾患痛みの治療
五十肩


一口に「五十肩」と言っても患者ごとに症状に差が
あります。年齢も五十代に限らず40〜50才代以
降の幅広い年齢層に発症します。
その理由は、主な原因が頚椎の加齢的変化にあ
るからです。
頚椎の加齢的変化は、
  @ 椎間板が薄くなる・・・・・・椎間狭窄
  A 骨の角が肥厚   ・・・・・・棘形成
などですが、これらは元に戻ることはありません。
この変化にともなったて神経の出口が狭くなるたた
め、神経は圧迫刺激を受けやすくなります。
五十肩に関係する肩関節周囲の筋肉は、七つあ
る頚椎の上から4番目「第4頚椎」からその下「第
5頚椎」「第6頚椎」の3椎から出てくる神経(第4〜
6頚神経の前枝)が支配しています。特に第5第6
頚椎は負担が大きいためか加齢的変化進みやす
いようです。
ただ、頚椎の骨の変化のみで症状が決まるわけ
ではありません。神経の出てくる近くには椎間関節
があり、姿勢の影響などでこの関節に無理な力が
かかると小さな炎症が起きたりします。加齢により
椎間板が薄くなっていると関節が不安定になり、炎
症を起こしやすくなります。

また、神経の経路での筋肉の凝りや引きつりなど
により神経が圧迫されたり牽引されたりして刺激を
受けます。これが強ければ求心性の知覚神経で
痛みとなりますが、弱ければ痛み情報として大脳
で認識される以前に抑制的にコントロールされ途
絶えてしまいます。こレに対して遠心性の運動神
経の刺激は途絶えることなく筋肉に到達し緊張を
引き起こします。継続的であれば筋肉は疲労し硬
くなり筋力低下や痛みを起こします。筋の突っ張り
や引きつりによって、筋の停止部に絶えず力がか
かり続けるため炎症が起こり圧痛や動作によって
痛みが起きます。




《五十肩に関係する頚神経 C4.5.6.》

頚神経(首の骨、頚椎から出てきて首から肩腕の筋肉へ分布する神経)は側頚部の筋肉(斜角筋)の下の骨の出っ張っ
り(頚椎横突起)から出ています。五十肩に関係する肩関節を動かす筋肉は、第4〜6頚神経(第4〜6頚椎横突起から出る神経)が支配しています。
刺鍼により神経の興奮を鎮静させると支配下の筋肉の緊張(硬結・凝りと圧痛)が消えます。
また、指(人差し指、中指、薬指の三本)でここを圧迫しても肩関節周囲の筋の突っ張りは軽減しますので、圧迫したまま腕を挙げると痛くなくスムーズに挙げられることもあります。
このことから、五十肩は加齢による頚椎の変化から肩関節周囲の筋の緊張(突っ張り)が起こることで発症することが分かります。したがって、首からの運動神経の興奮を鎮静させてやることが治療になるのです。



初期の軽いのもの

腕を挙げる(または、背中へまわすなど)動かしたとき痛むけれど、どの方向へも動かせるます。
肩関節の周りを押しても目だった痛みはありません。
【治療法】

1, 運動刺法 腕を挙上したとき肩のまわりのどの部位に痛みが起こるか確かめます。
 @肩の前に痛みが起こるばあいは、同側の手の陽明大腸経のツボ「合谷ゴウコク」に鍼を
打ち、挙上動作に合わせて鍼を動か(瀉法の手技を加える)します。
 A肩の外側に痛みが起こるばあいは、同側の手の少陽三焦経のツボ「中渚チュウショ」に鍼
を打ち、挙上動作に合わせ@と同様の操作を加えます。
 B肩の後ろ側に痛みが起こるばあい、同側の手の太陽小腸経のツボ「後谿コウケイ」に鍼を
打ち@A同様の操作を加えます。
初期の軽微な症状はこれだけで消えてしまうこともあります。

2. 虚実調整

A
痛みや凝り(五十肩のばあい肩関節の周りの筋肉に凝り=筋硬結があります)は経脈の気
の流れが何らかの原因で滞ったばあいに起こります。多いのは「寒湿」などの外邪によるば
あいです。また、正気(本来あるべき陰陽の気を正気と言います)の不足によって回復が遅
れているばあいなどです。前者は邪気の「実」にあたり、後者は正気の「虚」にあたります。
鍼灸治療でっは、舌を見る「舌診」や脈を診る「脈診」などからこれらの虚実を判断し「実(邪
気)」を除き、「虚(正気)」を補うことにより健康回復をはかります。ここでいう正気は「気血
水」の総称的意味です。

3. 頚椎側刺鍼

B
筋の凝り(硬結)が残るばあいや、肩凝りの強いばあい、頚(くび)からの神経的影響がある
ばあいがあります。五十肩を起こす年齢では、多かれ少なかれ、椎間板が薄くなる「椎間狭
窄」や骨の角が出っ張ってきて神経を刺激しやすくなる「棘形成」など加齢的変化の影響が
出て来ます。このようなばあい、この頚椎側刺鍼を行い頚椎側から出てくる神経の興奮を鎮
めるとその神経の支配下の筋肉の凝り(硬結)と痛みを消すことができます。
   参照:頚椎側刺鍼法

4.


5.


中期の痛みの強いもの

腕を動かしたときの痛みは比較的強く、完全に真上まで挙手できない。就眠中痛みで目が覚める。
【治療法】

1, 虚実調整 A」に同じ                                                ・

2. 頚椎側刺鍼  B」に同じ

3. 関節局所
 への対処
1.2.治療後、肩関節周囲の五十肩特有圧痛(押すと痛む)が残るばあい行います。
患部の圧痛点に印を付け、反対側(健側)の同じ所(対称点)に刺鍼(反対側刺鍼)します。
そして患部の印を付けた圧痛点を押してみると、最初の痛みが軽減もしくは消失します。
さらに、圧痛が残るばあい、熱さを感じたら取り去る法方でお灸(知熱灸)をすえます。ほと
んどのばあい、圧痛はなくなります。

4. 首の姿勢 頚椎の徒手牽引を加えます。就眠時の枕の姿勢の注意法方をお教えします。

5.


末期の拘縮jの強いもの

肩関節が固まってしまったようになり動く範囲が狭く、特に外側から腕を挙げようとすると肩が上がってしまいます。
これを「肩甲連動」と言います。五十肩の最終段階とも言えるでしょうか? この時期、痛みはほぼ落ち着いている
ばあいが多いですが、これは「痛みが起こるところまで動かせなくなっている」と言った方がよいかもしれません。
【治療法】

1, 虚実調整 A」に同じ

2. 頚椎側刺鍼 B」に同じ

3. 関節周囲の筋
硬結(拘縮)へ
の対処
1.2.でも筋の硬結(拘縮)は緩解しますが、硬く固まっている状態が長期に渡ると硬い索状
に残ります。2.の頚椎側刺鍼で頚神経の元を刺激しながらこの索状の筋硬結へ刺鍼しま
す。同時に刺鍼刺激を与える(双手法)を用いると緩解して行きます。

4. 運動胞法指導 筋の硬結(拘縮)は極端な筋力低下の状態です。硬結(拘縮)がゆるんだところで関節を動か
さずに持続的に力を入れ続ける運動法(等張運動)を指導します。一度にやり過ぎないことが
ポイントです。一日に3〜4度に分けて数回ずつ根気よく続けます。

5. 再診のポイント 筋肉に硬さが起こるときは再度治療に起こしください。




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