Kさん(50才女性)は、今年3月、スーパー駐車場で転倒し縁石コンクリートの角に右太ももの外側を打撲。内出血と強い痛みが起きたと言います。
このため、以前よりかかりつけの鍼灸接骨院を受診しました。内出血はわりと早く引いたものの、太もも外側の痛みが治らず6ヶ月が過ぎたと言います。
そこで、どこか良い鍼灸院はないか?・・・と神奈川県鍼灸師会ホームページで探しましたが分からないため、同会事務局へ電話で問い合わせたそうです … (@@); ビックリ!
・・・そこで、当院「セイ鍼灸院」が良いだろう…と紹介されて受診して来ました。
主訴 転倒による右大腿外側の打撲部の痛み
発症 2024年3月○○日 転倒による打撲
当院初診は、2024年9月21日です。
当院、初診時の症状は下記のように、右大腿部の痛みは打撲した外側部にとどまらず腰神経叢からの神経支配の筋に広く出現しています。
これは、転倒した衝撃で腰椎椎間関節部に軽い捻挫を生じ大腿部の筋へ伸びて行く神経の根部近くに炎症がつづいているための症状です。また、腰神経叢が接する大腰筋の緊張が強く神経を押さえつけたり引っ張ったりして神経症状が起こりやすくなっています。そこで先ず起こりやすい症状が支配域の筋緊張です。これが持続することにより筋疲労、筋力低下や疼痛を起こします。
腰椎側(腰椎側刺鍼点と同じ位置)の深部圧痛(深く押し込んだところで不快な重苦しさを感じる)を確かめると、第2腰椎側から第5腰椎側まで患側(右)では陽性、健側(左)では陰性です。
このような症状での鍼治療方法は「腰椎側刺鍼法」が適しています。
(もちろん、余分な緊張を除去し全身性に血流改善する効果がある経脈を調える鍼治療を行った後に用いることでより良く・・・著効・・・となります。…が、ここでは経脈を調える説明は割愛します。)
腰椎側刺鍼の刺鍼点
刺鍼の位置、深部圧痛の圧迫位置は、腹臥位で後正中線上に腰椎棘突起間の陥凹に印を付け、棘突起の高さを明瞭にします。この棘突起の高さを3等分した上から3分の1の高さでその外方(患側)20mmの点になります。深部圧痛では健側と比較します。
刺鍼の角度は直刺(皮膚面に対して垂直に刺入)します。
刺鍼の深さは60mm前後でズ~ンとした重いヒビキを感じます。第5腰椎側については、腰椎の前湾の程度に合わせて刺鍼点と角度を調整します。一般的には第4第5腰椎棘突起間の高さの外方20mmから下方へ向けて∠45°前後傾け(前湾が強ければ∠30°と更に傾きを大きくし、前湾が弱ければ∠60°と傾きを少なくし)ます。
腰椎側刺鍼の効果の判定は、当初の検出された筋の硬結・圧痛の低減~消失を確認します。正確に刺鍼が行われると硬結・圧痛はほぼ完全に消失します。
これにより、他院では、何回通っても治らなかった痛み症状も・・・1回の治療で治る・・・ことになります。
治療を終えると・・・
治療直後から症状は改善します。
『ズボンに右足を入れるとき重たかったのが、軽くスッとはけました』とKさん・・・。
Kさんは、他の愁訴(飛蚊症)を治したいと10日後に来院しました。
「右大腿部の痛みはどうですか?」と訊くと『最初の痛みを10とすると…「 0.5 」くらい残ってるかな…ほとんど気にならない』とのことでした。