整形外科で…「第4腰椎圧迫骨折」と「脊柱管狭窄があり歩けなくなる」と言われた…

・・・と言う、Nさん(50代男性)…2回目の鍼治療に来院です。
【発症の経緯】Nさんは、9月中旬数年ぶりにバスケットボールをやり腰痛となったそうです。数日間は痛みで動けず会社も休み寝ていたと言います。
当院初診は9月29日、奥さんの運転する車で何とか来院しました。初回治療直後は痛く無く立て、前後屈も無理なくできる状態でお帰りになりましたが、翌朝にはまた痛みが戻ったと言います。会社へは車で送り迎えしてもらい出社しているとのこと…。その後、先の整形外科の診断を受け、当院2回目の来院は10月06日です。

初診時の訴えは、腰部の痛みと両臀部、両大腿後側の痛みでしたが、今回の訴えは右側臀部と右大腿後側の痛みです。
さて、整形外科の圧迫骨折は「第4腰椎」ですが、たしかに第4腰椎棘突起を叩打するとヒビクような痛み(叩打痛)があります。しかし、第4腰椎の病変(圧迫骨折)として誘発される神経症状は大腿前面の大腿四頭筋の痛みか大腿外側の痛み(L4からの神経が関係する大腿神経領域か上臀神経領域)であるべきで、Nさんの訴える「臀部の梨状筋部や大腿後側の大腿二頭筋長頭の痛み」は第5腰椎の病変によって起こる症状(L5以下の神経が関係する座骨神経領域)です。画像診断と主訴たる痛みが一致していません。
また、画像診断により指摘された「脊柱管狭窄」ですが、医師からは「狭いところが2ヶ所ある」と言われたと言いますが、Nさんへの問診で「脊柱管狭窄症」の症状「間欠性跛行症」はありません。

表題の『整形外科で…「第4腰椎圧迫骨折」と「脊柱管狭窄があり歩けなくなる」と言われた…』は「画像診断」の結果ですが、画像による「器質的」状態と患者さんの痛みやしびれ、筋の突っ張りや重だるさなどの症状「機能的」状態は、必ずしも一致しません。画像診断が悪くても症状が大したこと無かったり、逆に、画像診断は特に問題ないにも関わらず痛みが強かったり・・・ということが普通にあります。
第2回目の鍼治療終了直後のNさんは、診療ベッドから立ち上がるとき『あ~ア、痛く無く起き上がれる』と言い、「前後屈してみてください」と言うと・・・前屈・後屈動作をして『痛く無くできます』と全く痛みがないようです。

****Nさんは、その後来院なく、状態は不明でしたが、3週間後Nさんの家族が来院され『まだ、腰痛がつづいている』とのことです。
腰椎椎間の不安定なことと筋力低下、姿勢の問題とが重なってのことのようです。
1回目も、2回目も、鍼治療直後は痛みは消えていますから、鍼治療により改善、治癒を早めることは明白と思われますが、本人が鍼治療を希望されない?のであればいたしかたありません。

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脊柱管狭窄症の手術を受けた杉並さん(60代男性、杉並区在住)・・・ の場合

ある整形外科の権威の大学教授が『3000症例を超える手術をして手術は全て成功したが、1例も治すことができなかった』と言った・・・という話しを聞いたことがありますが、これは患者さんの訴え「しびれ」や「痛み」「筋の突っ張り」「筋力低下」などは機能的問題であって必ずしも器質的状態の画像診断と正比例の関係にないからです。

杉並さんは1年前、脊柱管狭窄症の手術を受けましたが、腰下肢の痛みやしびれ、筋力低下はほとんど改善せず、知人紹介にて当院を受診されました。

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