『やっぱり先生は、God’s hands!だ』と患者さんは言うけれど…治って当たり前…を治しただけです。

#右頚部から肩甲骨にかけて痛い #膝を付くと痛い #慢性腰痛症
患者(50代男性)は『2年ぶりにゴルフ打ちっ放しに行き、フルスイングしたら…、首から右肩甲骨にかけて痛くなった』と来院。

主訴は、右頚肩部痛です。

痛みは、「重い感じの痛み」で「右側頚部から肩上部、肩甲骨周囲に拡がって痛む」と言います。

徒手検査をすると…

ジャクソンテスト(Jackson test)は陰性。

スパーリングテスト(Spurling test)は患側右は陰性てしたが、健側左の肩甲挙筋付近に痛みが出ます。

その他の愁訴

・膝を付くと痛い

・「慢性腰痛」と言う。右仙腸関節の下部付近が痛い。

脈診右関上有力。舌診舌質の色やや暗紫やや胖、苔は中央に灰白色湿潤だが、舌の前3分の1ほどは苔少なく細い縦縞の裂紋が目立つ。

主訴の重い痛みと舌中央の灰白苔湿潤は「湿邪」「湿濁」の陰性の邪気の存在を意味している。脈が右関上有力で「邪気」にありがちな「緩弱」などの柔らかい虛系の脈でないのは、この患者が本来「陽明腑実証」タイプで、脈の硬く引き締まった感触と灰白苔の白ぽっさが優位なことから「寒邪」が若干絡んでいるようだ。

〜ー〜ー〜詳しくは…
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脈状を整え、頚椎側刺鍼をして、腰掛けてもらい…、

「首から肩はどうですか?」と訊くと

『すごく軽くなりました』と言う。

「腕を動かすとどうですか?」と訊くと、患者は腕を大きく回しながら『ぜんぜん痛くない!完璧に回ります』と言う。

つづいて…「膝を付いてみるとどうですか?」と言うと、患者は床へ膝をつき(跪きヒザマヅキ)『あれ!痛くない』と言います。

脈状と経脈の流れを改善しただけで、膝には鍼1本打っていません。

立位に戻り腰痛について確認し、腹臥位にて腰椎側刺鍼をし腰臀部下肢の圧痛の消失を確認します。

再び、立位になり『慢性腰痛』を感じる(自覚する)ところの痛みの有無を訊きます。すると『かなり軽減したが違和感が残る』と言います。場所はやはり「右仙腸関節下部付近」とのことで、右第5腰椎側点に刺鍼し運動刺法を行う。

自覚症状(主訴・愁訴)はすべてなくなり・・・
『軽くなった。先生はやっぱり God’s hands だ!』とお世辞を言ってお帰りになりました。