#被害妄想 #男性更年期 #監視されている #ストレス #怒り #肝気鬱滞 #肝鬱化火 #腎陰虚 #腎精虚損
患者男性(55才)の妻によると、患者男性は『2年前、突然会社を辞め住所地を離れ他県へ単身で転居し他の会社へ再就職した』という。
その理由が『元の会社の連中が自分を攻撃してくるからだ』という。
転居先では、住居アパートから離れたところに2ヶ所に駐車場を借り、毎日遠廻りした違う道順で帰宅するという。その理由が前の会社の関係者に監視されているから見つからないようにしているという。
「そんなことないから」と…妻が説得しようとすると、目をちばしらせて怒り出すといいます。
精神科は対症療法的に薬漬けにされたくないので受診していない。
心理士のカウンセリングも何度となく受けたが…、心理士が『無理です』と投げ出してしまったという。
困り果てて、神社巡りをしたり、はたまた…気功や心霊治療にまで頼ったりしたが、全く治る気配も無く今日に至っている。
当院へは、男性の持病である鼻づまり(蓄膿症)の治療名目に妻が連れて来ての受診でした。(昨年12月)
脈 診
■脈状:有力
■六分定位比較脈診:
右関上(脾胃の見どころ)有力
舌 診
■舌質:全体的には淡紅色だが
舌側面は暗紫色
■舌苔:薄く湿やや少津
腹 診 :
臍の左側(肝の見どころ)に張り
■鼻づまり→肺気不宜
■蓄膿→痰熱瘀血
その他…患者妻からの聞き取り
■被害妄想「監視されているから見つからないように行動している」=恐怖心、おびえ=腎虚証
■会社のストレス=肝気鬱
■怒り=肝気鬱
■目を血走らせる=肝心火熱
🟦鍼治療
①大衝瀉法(臍左側の張り圧痛の消失、ならびに脈状の有力の改善を目安に→肝気鬱を除く)
②三陰交瀉法(肝気鬱に伴うと血流の鬱滞)
③列欠瀉法(鼻づまり=肺気不宜の改善)
④合谷、豊隆、印堂〜鞍、迎香(鼻づまり、蓄膿症の改善)
⑤申脈(項部の凝り=足太陽経脈の気の流れの改善)
⑥頚椎側刺鍼…第2、3、4、5…(頸部の凝り=緊張を除去)
⑦風池(頭面部脳内血流の改善)
⑧太谿補法(腎陰腎精の補益)
…………………………… 以 上 …
初診時(2025/12/20)の治療
🟥備考…患者は55代で、男性更年期の不安定な精神状態に会社でのストレスが重なり「被害妄想」を発症したもので、肝気鬱滞が腎陰不足のための肝陽上亢と重なり、気鬱化火、肝火上炎し易くなり、腎陰との相互安定を欠いた心神(=精神)の不安とも関連しあったものです。
患者妻へは、「病院の男性更年期外来を受診しホルモン補充療法を受ける選択もあります」と説明しました。
🟦鍼治療
第2回目(2025/12/28)
前回治療後…
■鼻づまりは無くなった…という
妻の観察では「目が澄んで落ち着いた感じ」という
前回と同様の治療
一部追加変更
○大衝瀉法…豊隆瀉法…陰陵泉瀉法(肝気鬱に痰が絡むのを除去し、水湿を処理する)
○内関瀉法(胸中の気を和し心神を安定させる)
🟥2026年1月10日
妻からの聞き取りによると…
鍼治療を受けてから、「見張られている」など…の被害妄想を口にしなくなったと言う。
年末年始の休みに神奈川の自宅へ戻ったが、以前は「見張られている」からと絶対に行かなかった場所へも足を運ぶことが出来た…と言う。
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